デザインと言うものに対して無縁だった「WEBが情報を伝達する手段に過ぎなかった頃」から長い年月が経ち、それまで抱えていた通信速度や通信量の問題がことごとく解決されたことによるWEB上の芸術的爆発は本当に目を見張るものがあるかと思います。これらの歴史は、まさしく芸術になぞらえることが出来るほど興味深いものであって、その変遷は何度も繰り返されつつも徐々に磨かれていっているのです。このサイトではそんなウェブデザインの歴史とこれからについて紹介していきます。
世界最初のウェブデザイナーはティム・バーナーズ=リーであったと言えるでしょう。彼はWWWを発明し、1991年に世界初のウェブサイトを立ち上げました。これはただの文章をハイパーリンクでつないだのみのものでしたが、当時としては画期的でした。また、デザインもテキストのみのレイアウトになっていて、カラーに関しても特に工夫がされているわけではありませんでした。その後、CGIが発明されたことで、WWWは大きな転機を迎え、それまではウェブサイト製作者が発信した情報を閲覧者が受け取るだけであったWWWという世界に、CGIは双方向性のあるコミュニケーションをもたらし、それによってウェブデザインも大きく変わり始めていました。
更に、インターネット接続周囲が進歩したことによるウェブデザインの変化も顕著でした。ダイヤルアップ通信が世俗的であった頃は、通信料金等を加味して、極力容量を抑えたデザインがなされていましたが、ADSLやFTTH等が発明され、普及し始めてからは、ファイルサイズを気にすること無く大胆に画像や動画を使用できるようになったのです。また、FLASHを始めとしたリッチデザインの流行によって、高機能かつ映像的なウェブデザインが増えてきていました。
FLASHの全盛期であった2004年においてはあまねく分野がリッチコンテンツに傾き、フルFLASHのサイト等が大量にありました。訪問者の視覚に訴えかけるウェブデザインが良いとされていたからですが、それは2005年にMixiやブログといったようなソーシャルメディアの勃興によって徐々に変わり始めてきます。決定的となったのが、2008年に現れたiPhoneでこれによりWEB製作に関してはFlashからHTMLへという流れへと進み始めていきました。これらはiPhoneがFlashに対応していなかったことも上げられますが、iOSの特性とも言えるスキューモーフィズム的なデザインに関して異常な流行が起こったからでした。やがて、そうしたスマートフォンの勃興によって、更にそれに特化したデザインが次々に生み出されて行くのでした。
それまでは、ただ見栄えを良くするのみのリッチコンテンツが流行っていましたが、スキューもフォイズムによって、より現実の物に似せた使いやすいデザインが重視されてきました。更にその試みは大きくなり、おのおのの要素をシンボリックしつつも全てがシンプルで見やすく使いやすくなったデザインであるフラットデザインやマテリアルデザインへとつながっていきました。また、「シェアして欲しい」「買って欲しい」「使って欲しい」「見て欲しい」といったような各方面の用途に適する形で、デザインは大きく変わっていったのです。
ウェブデザインとは、デザインの一種で、ウェブページやウェブサイトにおける視覚面に対して、整理・再構築・意匠等を施すことを言います。UIデザインや、グラフィックデザイン的な要素を大量に含む一方で、インタラクティブな要素を持つWWW(ウェブ)の性格上、情報デザインや工業デザイン的な能力も求められる分野になっています。こうしたウェブデザインを行うデザイナーを、ウェブデザイナーと呼び、2007年より、ウェブの設計技能を検定する国家資格としてウェブデザイン技能士等も始まりました。
最近はウェブデザインというものが見栄えを基準とするものではなくなり、「ユーザーの価値ある体験」を基準になされることが多くなってきました。それらはiPhoneなどの「説明書がなくても使える」ようなUIといったもののように、人が理解するのに全く労力を必要としないデザインでもあります。これらのユーザーが触れる部分をUser Interface(UI)、それらの価値ある体験をUser Experience(UX)と言い、今現在は特にユーザーが実際に利用するウェブサービスが増えていることに起因して、こうしたデザインが求められてきているのです。
上記のことも加味した結果以下の事を守ったウェブデザインが求められています。
こうしたルールの中でユーザーのUXを高めるデザインを実現していくことが今のウェブデザイナーには求められているのですね。それでは次のページでは、実際のウェブデザインが起こるまでの歴史について学んでみましょう。